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「アムロと赤いモビルスーツ!」
宇宙戦闘機のセイラは、モビルスーツがビームサーベルを振るいあう戦場に飛び込む。
彼女に、それがいかに無謀なものか想像するゆとりはない。ただ、赤いモビルスーツなら、兄があやつっていると意識するだけ。
ジオンのザビ家打倒などというできもしない野望を抱き、獅子身中の虫になっているバカな兄。
その兄を、妹の手で葬ってやれるなら、父にも褒めてもらえよう。
論理的ではないし、そう考えたわけでもないのだが、それにちかい思考にとりつかれている。
金塊などをおくってよこしたということで、兄の了見は知れたのだ。
そんなことは、身内の安全だけを考える小さな兄ということで、そのような兄に、大望を果たすだけの器量があるわけはない。強権を発動する第二のギレンを生むだけなのだ。
なら、葬ってあげる。
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「ホワイト・ベースⅡだって将軍は言ってますがね……」
アブ・ダビアは、くすっと笑った。